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海外・モンゴル/30mタワーと
大ねずみのレシピ

モンゴルの雄大なる大草原で、街から遠いのでテントに泊り込んで風況タワーの設置作業。 テントはモンゴルの家屋にも使われるゲル。

9月だというのに、夜は火を焚かないと凍え死ぬほど寒く、ストーブの火は朝起きるまで絶やせません。 若いやつが夜中でもベッドから起きて、時々薪をくべます。そいつが寝込んで火が弱くなってくると、急にゲル内の空気が冷えてくるので、 若頭が「おら薪をくべろ」と促し、若いやつはしぶしぶベッドから起きて薪をくべます。

それでもゲルの中は十分暖かいとは言えず、薄い毛布1枚でしのぐモンゴル人は、寒さへの耐性が強いと実感しました。

野うさぎのような巨大ねずみのような小動物を、非常に眼のいい若頭が見つけ、遠くまで追いかけて2匹捕獲。 調理器具はナイフと針金1本。見た目よりは、まともな味でした。レシピを紹介いたします。

ウランバートルを出でて

まだ9月中旬だというのに、道路にも、もう雪が積もっています。

地方の町

撃ち合いが始まりそうな、西部劇の町の風情です。

ここから先にはもう町がありません。

終戦直後の日本が、目の前にあるような気がしました。

キャンプ

設営完了。右側がゲルで、天井と壁面、そして床は厚いフェルトで覆われ、草原野営の防寒対策はできています。

左側の緑色の小屋は移動式キッチン兼宿泊所。

キッチンの右横はゲルを積んできたトラック。この中で寝泊りする作業員が2名ほど。

ゲル内部

夜の命綱ストーブが中央に鎮座します。野戦ベッドが5床ほど、壁伝いに並んでいます。

ゲル外套のキャンバスの裾は、接地したところで土の中に埋めるように折り返されているので、隙間風は入ってきません。

起床

一夜明けて朝。目覚めたときにベッドから見える光景。

ゲルの吹き抜けからストーブの煙突が出ていますが、意外とそこの隙間が大きい。

朝日

風況観測タワー作業の一日が始まります。

硬い草原

広大な大地は、ほんの表面が覆土の層で、そこから下は非常に硬い土質が続きます。

バールで突き、叩きながら辛抱強く穴を掘るしかありません。

第2のゲル

無事に観測するための見張り人のゲル。構造の様子がわかります。

良いガードマンがここで寝泊りして、悪い盗賊から機械を守る。

碧い空と休憩

どこの世界でも必要な休憩。

身の回りのものには軍用のものが多い。

完成

アンカーの穴掘りで手間取り、日がとっくに暮れてから、無事設置完了。観測開始。

闇夜の輝き

漆黒の闇に、蒼い月が浮かぶ。

草原の暁

また一夜明けて朝。今度は風況タワーがまっすぐ立っています。

完成の図

キャンプの真ん中にきれいに観測タワーが完成した、仕上がりの写真です。

ゲル撤収

二晩お世話になったゲルの解体風憩です。

モンゴル人は慣れたもので、順番通りに要領よく、作業が進みます。

まず外套剥がし。外側のキャンバスをめくると、フェルトで全部が覆われているのがわかります。

骨組み

フェルトもめくると、構造体が出てきます。

ニューヨークの、今はなきワールドトレードセンターのような鳥かご構造を、真ん中の大黒二本柱が、互いに補強しているような構造です。

部品

軽くて均一な部材のなかで、唯一フレームをなす部材は、中央のやぐら構造となる大黒二本柱セットと、出入り口のドア+フレーム。

フェルトはけっこう重いのですが、こんな傘のような骨組みで、よくもちます。

たたんで積み込み

たちまちトラックの荷台に載せられ、ゲルの撤収完了。

移動式キッチン

簡単でも十分なお食事をお母さまがここで作ります。焼きそば、焼き飯系が主流。

板敷き二段ベッドは、何にでも転用可能。

肖像

誰がモンゴル人で日本人なのか区別はつきません。

大ねずみのレシピ

食材の準備

捕獲した大ねずみを殺し、毛皮とそれ以外の部分に分離してください。首根っこのところを太い針金で吊るして、皮を剥ぐとうまく行きます。

これ食べるの?という感じはしますが、あまり気にしないでください。

ここで大切なことは、切った首の部分以外は、手足を含めて、穴を開けないことです。密封できる袋状にすることが重要です。

下ごしらえ

分離した肉をぶつ切りにして、適宜ジャガイモやたまねぎを加え、塩・こしょうやお好きなスパイスを適宜まぶしてください。 野性味がきついので、多少多めが無難かも。

これ食べるの?という感じはしますが、乗り越えてください。

内臓は、離れたところに、土に埋めずに捨ててください。他の動物のえさになります。

石蒸し焼き

ハイライト。ストーブで石を1匹当たり6、7個焼いてください。石を焼いている間、下ごしらえの終わった食材を、毛皮の中に戻してください。

石が赤くなったら食材同様に毛皮に詰め、高圧蒸気が漏れないように首の口を針金できつく縛ってください。 蒸気でパンパンになってきたら、熱が行き渡るように中身を混ぜるようによく振って、形も整えてください。 できあがりの容姿もインパクトがあり、大切です。

これ食べるの?という感じはしますが、ここまで来ると、あとは勢いで行けます。

あぶり

覚醒剤用語と混同しないでください。警察の取り調べを受けることになります。

大ねずみを表からバーナーでよくあぶり、毛を焼き切ってください。

仕上げ

水を薄く張った洗面器に移し、ブラシなどで表面をこすり、毛をきれいにふき取ってください。

写真では、バンザイの形にうまく仕上がっています。

食べ方

まず、首のところを縛った針金を解き、汁を器に出します。これを回し飲みしてください。非常に脂っこいので、胃の弱い方は注意してください。

次に、中のお肉と石を取り出してください。暖かい石を手に優しく包み、手の中で転がしてください。健康にいいという、まじないです。

最後に、お肉に食らいついてください。お味は、状況と場所によって、感じ方が人さまざまだと言われています。

皮と手足が残ります。これはその後どうなったか、わかりません。 毛をあぶってきれいに取ったことから、別のお料理に使われたのではないかと推測されます。

チーム

最後に記念撮影。アメリカ西部開拓時代のようです。
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